Gensparkとは?活用シーンや特徴、使用手順など解説
現代の情報社会において、検索エンジンは私たちの生活で重要な役割を果たしています。しかし、従来の検索エンジンでは、複数のWEBサイトを繰り返し訪問し情報を探すことが多く、手間がかかることも多いのではないでしょうか。
Gensparkとは?
Gensparkは、AI駆動型の検索エンジンで、ユーザーの質問に対して「要約」と「Sparkpage」、「おすすめWEBサイト」などの回答を返します。この中で特徴的なものとしては「Sparkpage」です。これはユーザーが質問した意図を予測し、その意図を満たすためのカスタマイズしたコンテンツをつくる機能です。
平たくいえば、自分のためだけに作られたブログ記事が作成されるということです。このようにGensparkを使えば、ユーザーは1つの概念に関して、短時間で知識を習得することが可能です。
コンセプト
Gensparkは、無数に溢れる情報を1つのページにまとめ、ユーザーに対して効率的な情報提供を実現します。また、インターネット上にはフェイクニースやデマなども多く、ユーザーは情報に対しての信頼性を疑うようになりました。こういった背景もあり、Gensparkはより正確な情報を提供することを目指しています。
従来の検索エンジンとの違い
Googleなどの従来からある検索エンジンとGensparkの違いについて解説します。この違いを理解することで、Gensparkの理解が深まるはずです。早速、確認してください。
一般的な検索エンジン | Genspark | |
情報の表示方法 | 検索結果としてWEBサイトのリンクを表示 | Sparkpageで、必要な情報を包括的に提示 |
情報の信頼性 | EEATなどの基準を加味しWEBサイトをランクづけ。そのリストを表示 | 高権威、高人気のWEBページを優先し、トピックから外れた情報をフィルタリングする |
情報への関与 | ユーザーは情報を閲覧するのみ | ユーザーが情報を追加・編集できる |
Gensparkの活用シーン
Gensparkはユーザーの質問に対してカスタマイズされた「Sparkpage」と呼ばれるページを生成します。そのため、ユーザーは複数のWEBサイトから情報収集する手間を省くことができます。このような特徴を持つGensparkですが、実際に役立つシーンを取りあげ解説します。
旅行の計画を立てる
旅行先の情報を調べたいときや計画を立てるとき、Gensparkが役立ちます。例えば「冬にカップルで行く京都の旅プランを立てて」と検索(質問)すると、目的地の観光スポットやアクティビティ、宿泊施設の提案などが記載されます。実際に表示された項目は次のとおりです。
- はじめに・・・京都の観光に関するサマリーが箇条書きで表示
- 観光スポット・・・京都の観光地と書く観光地の魅力などが箇条書きで表示
- 体験スポット・・・人力車体験や梅酒造りなど、京都でできるアクティビティを紹介
- 食べ歩き・・・食べ歩きができる場所と、どういった飲食を頼めるのかを紹介
- 宿泊施設・・・具体的なホテル名や主な交通手段、各宿泊施設の特徴など
- 交通手段・・・JRやタクシー、レンタルサイクルなどの交通情報を確認できる
このように、Gensparkがあれば検索意図に合わせたおすすめの観光スポット情報を一瞬で表示させることができます。
製品の購入を検討
製品を購入する前に、その製品に関する概要、長所や短所、ユーザーレビューなどの情報を包括的に確認する事ができます。例えば「13~14インチのノートパソコンで、おすすめは?」と検索します。すると下記のような情報を確認することができます。
- はじめに・・・13インチと14インチのパソコンについて概要や利便性
- 13インチの特徴・・・13インチパソコンの特徴やメリット、デメリット
- 14インチの特徴・・・13インチ同様に特徴やメリット、デメリット
- 選び方のポイント・・・パソコン購入する際にどのような点に注目すれば良いのかを解説
- 人気モデルのレビュー・・・具体的なパソコン名を挙げ、何が優れているかを解説
- 価格とスペック・・・おおよその相場、バッテリーやデイスプレイについて
このようにGensparkは、無数にある情報を1ページにまとめることで、ユーザーの検索負担を軽減します。
ファクトチェックしたい
ある情報が正しいかどうかを確認したいとき、Gensparkを活用し、ファクトチェックをおこなうことができます。
例えば「スマートフォンの使用が視力低下を引き起こすのは事実ですか?」と質問をすると、GensparkはWikipedia、メディア報道、日本眼科学会、大学のWEBサイトなど、複数の信頼できる情報源を参照し、その信憑性について解説した回答を返します。
今回の場合であれば「近年の研究によって、視力低下を引き起こすことが支持されています」という内容と共に、詳しい根拠が示されました。
Gensparkの特徴
従来の検索エンジンと大きく異なるGensparkは、AIアシスタント機能やファクトチェック機能など個性的なユーザー体験を提供しています。そこで、Gensparkの具体的な特徴をとりあげ詳しく解説します。
Sparkpageを作成
Gensparkの最大の特徴はSparkpageです。ユーザーの検索意図に基づいて、AIがインターネットにある様々な情報源から関連情報を収集し、整理したものを1ページでまとめて表示します。従来の検索エンジンとはまったく異なる検索体験をユーザーに提供します。
Sparkpageは、ブログ記事のような構成で、イントロダクションや詳細情報、ビジュアル要素などが一覧で表示され、ユーザーはそのページを読み進めるだけで、特定の概念について包括的な情報を知ることになります。
詳細な質問に答えてくれる
GensparkにはAIコパイロットの機能があります。これは、生成されたSparkpageに組み込まれており(PCの場合は、画面左)、ユーザーがページの内容について質問し、詳細な情報を求めることが可能です。
例えば、Gensparkで「目の疲れを癒やす方法は?」と検索すれば、そのトピックについてのSparkpageが表示されます。するとそこでは「眼精疲労を回復させる方法」や「役立つ栄養素」など、目の疲れを癒やすためのさまざまな情報が掲載されます。
その中に「オメガ3脂肪酸:魚に多く含まれ、目の健康に有益です」と書かれてあるので、その点についてAIコパイロットを使い詳しい情報をリサーチします。
例えば「オメガ3脂肪酸はどのような魚に多く含まれていますか?それを使った料理は?」などのように深掘り質問をします。すると「サーモン、マグロ、サバ、イワシ、サンマ」に多く含まれていること、そして「マグロのタルタルや鯖の酢味噌煮」などの料理が提案されます。
このようにSparkpageで概要を理解し、AIコパイロットで深掘りした質問をすることが可能です。
ブックマーク機能
Sparkpageは、ブックマーク登録することが可能です。自身が気に入ったページをブックマークへ保存することで、あとで読み返すことができるので便利です。ただし、この機能を使うには、アカウント登録をする必要があるので注意してください。
Gensparkの使用手順
ここでは、実際にGensparkを活用し、カスタマイズされた情報ページである「Sparkpage」を作成します。下記の手順通り進めてください。
参考ページ: Genspark
Step1.検索キーワードやフレーズを入力
まず、Gensparkの検索バーに質問を入力します。このとき必ずしもキーワードで入力する必要はなく、質問形式の文章でもかまいません。例えば「肉じゃがの作り方は?」や「日記を続けるコツは?」といった質問が考えられます。
Step2.Sparkpageの生成
Gensparkは、入力された質問に基づいて、AIがインターネット上のさまざまな関連情報を収集し、整理します。そして「AIによる要約」「おすすめのウェブサイト」「Sparkpage」などが検索結果に表示されます。
この中から「Sparkpage」を選択します。そうすると自動でSparkpageの作成が開始されます。どのようなSparkpageが作成されるかは分かりませんが、基本的にはAIが質問の検索意図を読み取り、その意図を満たす包括的な内容を答えてくれます。
Step3.Sparkpageの内容確認
Sparkpageが完成したらその内容を確認してください。通常、Sparkpageには次の情報が含まれます。
- アイキャッチ画像:トピックのテーマを表す画像を表示
- 概要: 質問に対する簡潔な回答や要約
- 詳細情報: 質問の意図を満たす、さまざまなコンテンツ
- ビジュアル要素: 画像などの視覚的な情報が含まれることも
Step4.AI コパイロットで理解を深める
Sparkpageの右側に表示されたAI コパイロットを利用することで、ページの内容に関する深掘り質問をすることができます。
例えば「日記を挫折してしまう人の割合は?」といった質問を入力すると、AI コパイロットがSparkpageやインターネットから関連情報を抽出し回答します。インターネットから新たな情報を抽出した場合は、該当するWEBサイトのリンクも表示されるので、情報元をたどり内容を確認することもできます。
Step5.共有と保存をする
作成したSparkpageは他のユーザーと共有することができます。共有する場合は、Sparkpageのページ上部にある「共有」というボタンを押します。すると「URLをクリップボードにコピー」というボタンが表示されるので、そのボタンを押し、他のユーザーにURLを知らせてください。
また、ブックマークに保存したい場合は、Sparkpageのページ上部にある「ブックマーク」を押せば完了です。保存されたページは「ブックマーク済み」となり、画面右上のハンバーガーメニューから「ブックマーク」ボタンを押すと確認できます。
Gensparkの課題
確かにGensparkは革新的な検索エンジンですが、いくつかの課題も抱えています。そこで、現在、Gensparkにある3つの課題を取りあげ詳しく解説します。
AIによる要約の正確性
GensparkはAIを用いてインターネットにある情報を要約しています。そのため、情報元のWEBサイトが間違っていたら、生成された内容が不正確なものになります。
また、AIは文脈を完全に理解することが難しい場合もあり、結果として誤った情報を生成することもあります。もちろん、Gensparkの開発者は、権威ある情報源を優先的に利用するなどの対策を講じていますが、限界があることも踏まえて利用してください。
おすすめ記事:AIについてはこちらのサイトも是非参考にしてみてください|メタバース相談室
著作権の問題
Gensparkは、インターネットから情報を収集しているため、著作権の問題が発生するかもしれません。特に、Sparkpageは、ユーザーが編集可能で、それを一般公開する機能があります。そのため、著作権で保護されたコンテンツが許可なく利用されるリスクが高いです。
もちろん、Gensparkもこれに対して対策を講じており、著作権者からのライセンス取得計画を立てています。しかし、具体的な方法や費用については明らかにされていません。こういった背景から著作権の問題を解決できなければ、将来、Gensparkのサービスが継続できないこともあります。
競争の激化
AIを活用した検索エンジンはGenspark以外にも数多く存在します。競争は激化しており、今後、他の検索エンジンとどのように差別化を図るかが大きな課題です。ユーザー数が減少すれば市場から淘汰される可能性もあり、Gensparkが安定したポジションを確保するまでには、多くの試行錯誤が続くと考えられます。
よくある質問(Q&A)
ここでは、Gensparkについてよくある質問を取りあげ解説します。AI駆動型検索エンジンについて、より詳しく知りたい場合、ぜひご確認ください。
Q:Gensparkは無料で使えますか?
Answer)現在のところGensparkは無料で使用できます。アカウント作成をすることで、履歴やブックマークなどの機能を使うことも可能です。ただし、将来、有料化される可能性もあります。
Q:Gensparkのメリットは何ですか?
Answer)Gensparkの一番のメリットは、Sparkpageと呼ばれる情報を包括的に解説したページを作成でき、ユーザーに一目で概要を伝えることができる点です。こうすることで、ユーザーはさまざまなWEBサイトを繰り返し訪問する必要がなくなります。
Q:AI駆動型検索エンジンの登場でSEOはどう変わりますか?
Answer)一定数のユーザーは、AIが生成する回答だけで満足し、WEBサイトに訪問しないというケースが増えると思われます。しかし、AI駆動型検索エンジンで生成される回答には、情報リソースとして、既存のWEBサイトへのリンクが表示されます。
そして、そのリンクを辿り、WEBサイトへの訪問につながります。また、AIが表示するリンクは、従来の検索エンジンで上位表示されるWEBサイトが多いため、これまでどおりSEO対策を施し、上位表示されることはWEBマーケティングにおいて、最重要課題の1つです。
参考ページ:生成AIの導入でSEOはどう変わる?今やるべき理由と対策方法を解説
まとめ