ChatGPT Searchとは?検索のコツや活用例、使い分けの仕方など解説
Statcounter Global Statsによると、2024年11月時点で89%のユーザーがGoogleの検索エンジンを使用していますが、その一方で、従来のキーワード検索だけでは解決できないニーズも増えています。そこで注目されているのが、ChatGPT Searchです。
ChatGPT Searchとは?
ChatGPT Searchは、OpenAIが開発した検索エンジンで、AI機能とリアルタイムのWEB検索を組み合わせたものです。 ユーザーは、対話調で質問を入力するだけで最新の情報を含む包括的な回答をえることができます。検索結果は引用元へのリンクとともに表示するため、詳細情報を確かめることも可能です。その他、主な特徴は次のとおりです。
AIで検索意図を深く理解
AI技術を用いて、ユーザーが検索する質問の意図を深く理解することができます。従来の検索エンジンは入力したキーワードで検索意図を推測していましたが、ChatGPT Searchは、より人に近い形で質問を解釈し、文脈に応じた回答を返すことができます。
参考ページ:検索意図とは?SEOにおける検索意図の重要性!調べ方から利用方法まで解説
対話形式
従来のキーワード中心の検索エンジンとは異なり、ユーザーとの対話をとおして、必要な情報を表示します。そのため、ユーザーは一度質問をして終わりではなく、検索結果を踏まえ、さらに新たなニーズにもとづいて質問を続けることができます。こうして、対話形式で内容を深掘りするのが特徴です。
アドフリー
従来の検索エンジンでは、検索結果に広告が混じって表示されることが多いため、検索結果画面がやや煩雑な印象を与えていました。一方、ChatGPT Searchは、広告が表示されないアドフリータイプです。そのため、ユーザーは検索と情報収集に集中することができます。
ChatGPTとSearchの使い分け
ChatGPTとChatGPT Searchは何が違うのかと疑問に思うかもしれません。しかし、この2つの違いを知り、目的に応じて使い分けることで、情報収集や課題解決の効率が格段に向上します。そこで、それぞれの違いを表にしたので、照らし合わせて確認してください。
ChatGPT | ChatGPT Search | |
用途 | 過去の知識や一般的な情報について知る。あるいは、文章生成、要約、翻訳、コード生成などのタスク | WEB検索、最新情報の収集。特定のWEBページの内容について知る |
情報源 | トレーニング済みデータまで(最新トレンドには弱い) | Bingなどの検索エンジン、提携メディアのコンテンツなどリアルタイムのWEB情報 |
引用元 | 通常、引用元を表示しない | 回答の根拠となるWEBページへのリンクを表示 |
一見すると、どちらも似ている機能を提供していますが、実際のニーズに応じて使い分けることが肝心です。そこで、実例を用いて解説しますので参考にしてください。
明日の天気を知りたい
特定地域の天気を知りたい場合は、ChatGPTSearchを利用します。例えば、「明日の東京の天気を教えてください」と尋ねると、tenki.jpやウェザーニュースなどのWEBサイトから最新の気象情報を検索し、結果を返します。具体的には、時間ごとの天気や降水確率を表形式で表示します。
ビジネスメールの修正
ビジネスメールを書いたとき、正しい日本語が使えているか自信のない時があります。このような場合は、ChatGPTを使うようにします。自身が書いたビジネスメールをそのまま貼り付け、「日本語に誤りがないように修正してください」と依頼すると、正しい文章で返してくれます。
最新の市場情報
市場の動向について知りたい場合は、ChatGPTSearchが便利です。例えば「最新のiPhoneの価格を教えて」と尋ねると、WEBサイトから最新モデルの市場価格をリサーチし、結果を表示します。実際には、Appleの公式WEBサイトから、4種類のモデルと商品画像、価格、概要などを検索結果として返します。
コード生成・修正
使用するプログラミング言語を指定し、コードの生成・修正したいときはChatGPTを利用します。例えば、「Pythonを使用して、リスト内の重複を削除するコードを作成してください」と依頼すると、即座にシンプルで正確なコードを返してくれます。
ローカル検索
地元の情報を調べたいときは、ChatGPT Searchを使います。例えば「近くのおすすめのレストランを教えて」と依頼すると、ユーザーが検索した位置情報をもとに、周辺レストランの情報を提供します。具体的には、周辺マップや店舗画像などとともに、数箇所の飲食店が表示されます。
参考ページ:ローカル検索とは?順位の調べ方から具体的な対策法まで解説!
ブレーンストーミング
新商品や広告キャッチコピーのアイデアをブレーンストーミング形式で出したい場合は、ChatGPTを利用します。例えば、「若者向けの新しいエナジードリンクのキャッチコピーを考えてください」と依頼すると、ターゲット層や商品特徴に合わせた多様な提案を返します。実際の結果画面では、10個程度のキャッチコピーを箇条書きで表示しますが、「さらに追加で10個提示してください」などのように対話を続け内容を膨らませることもできます。
ChatGPT Searchで検索する方法
ChatGPT Searchを使うのは非常に簡単で、次のとおりです。
- ChatGPTにアクセス
- テキストボックスの地球マークをクリック
- 検索欄に質問を日本語で入力
以上で、インターネットから関連する情報をみつけて、分かりやすくまとめた回答を表示します。回答には引用元へのリンクも含まれているので、さらに詳細内容を確認することも可能です。
ChatGPT Searchで検索するコツ
ここでは、ChatGPT Searchで検索するためのコツについてお伝えします。Googleなどの検索エンジンとは異なった使い方が必要なので、ポイントを踏まえて使うようにしてください。
具体的な質問をする
AIを搭載しているので、ユーザーの言語を理解するのが得意です。そのため、キーワードで検索するのではなく、日常会話のように質問してください。ただし、行間を読む訳ではないので、具体的に伝えることが必要です。
例えば「近隣のファミリーレストランを教えてください」よりは、「30分以内にいけるハンバーグを食べられるお店を探して」の方が、求める情報に早くリーチできます。
対話形式を活用する
一度、検索して終了するのではなく、対話形式で質問を続け、より詳細な情報にリーチできます。
例えば「今日の国内ニュースを教えてください」と検索すれば、雑誌や新聞などのWEBサイトから、主な項目について箇条書きで検索結果が表示されます。そこで、この中からさらに気になるニュースを取り上げ、関連情報を挙げてもらうようにします。
執筆時には「日本生命、約1.2兆円で外資系生保を買収」というニュースが報道されていたため、このトピックについて深掘りして質問をします。例えば「外資系生保とはどこのことですか?」というように尋ねます。結果として買収先が「レゾリューション・ライフ」であること、そして、買収目的などの補足情報が加えられました。
このように、最初の質問で留まらず、さらに内容を絞り込んだり、広げたりすることで、自身のニーズ満たすことができます。
情報源を確認する
ChatGPT Searchは情報源へのリンクを提供するので、必要に応じて確認してください。なぜなら、返答結果が必ずしも正しいとは限らないからです。
例えば「今年のインフルエンザの感染者数は?」とリサーチすると「第49週における全国のインフルエンザ定点医療機関あたりの患者報告数は9.03人」などのように表示されます。同時に、朝日新聞や読売新聞、厚生労働省などのリンクが紹介されるため、ニーズに応じたリンクをクリックし、引用元で詳細を確認します。
このように、情報源を確認することで、信頼性を自身で判断することができます。簡単な知識であれば問題ないかもしれませんが、重要な決定をする際には、このステップが不可欠です。
Google検索と併用する
ChatGPT Searchは知りたい情報のまとめを表示します。例えば「日記の書き方は?」と検索すれけば、インターネットに公開されてある日記の書き方について情報を整理した形で検索結果を返します。そのため、標準的な日記の書き方について、ポイントを理解することに向いています。
しかし、独創的な日記の書き方や、個人が実践した体験に基づくアイデアなどは反映されにくいです。そのため、検索目的に応じて、Google検索とChatGPTSearchを使い分ける必要があります。
ChatGPT Searchの活用例
ここでは、実際に旅行計画を立てるということを例にとり、活用例を紹介します。詳細な旅行計画を立てるまでのプロセスをご確認ください。
目的を決める
ChatGPT Searchは、ユーザーの意図に沿って情報を提供します。そのため、まずは自分の目的を事前に決めておくことが大切です。ChatGPT Searchは、あくまでもツールであるため、人間の欲求やニーズを明確にしておくことがうまく使いこなすためのコツです。例えば、「温泉旅行にいきたい」や「子連れの家族旅行を楽しみたい」、「一人旅でのんびり過ごしたい」のような形です。
また、通常は旅行には期間や予算の制限があります。これも合わせて事前に確認してください。例えば、「沖縄で3泊4日の旅行を楽しみたい」や「旅行で予算は10万円」のような形です。
具体的な質問をする
旅行計画のステップ2は、検索欄で具体的な質問をします。ステップ1で決めた旅行の目的に基づいて、会話調で質問を入力します。例えば、「京都のおすすめの観光スポットを教えて」や「1泊1万円以内で泊まれるおすすめのホテルを教えて」、「京都水族館までのアクセスのよい観光地を見つけて」といった具体的な質問をします。
行きたい場所ややりたいこと、時間や期間、予算などの制限事項など、可能な限り詳細な情報を検索欄で伝えることで、よりパーソナライズされたプランの提案が結果として表示されます。
対話形式の検索を活用
一度、質問をしてもそこから対話のように、さらに質問を続けることも可能です。例えば、最初に「東京のおすすめラーメン店を教えて」と検索し、いくつかの候補が表示されたとします。
その結果に対して「この中で、豚骨ラーメンが美味しいお店は?」「東京駅から近いお店は?」といったように連続して質問することで、AIがこれまでの対話の文脈を踏まえて、より的確な情報を提供してくれます。対話形式の検索は、あたかも旅行代理店の人と話しているような印象です。
引用元で詳細を確認する
検索結果の信頼性に疑念が生じたときや、より整理された情報を求める場合は、引用元のリンクをたどります。これは検索結果の下にある引用元をクリックすることで可能です。引用元リストは質問に応じて、WEBサイトや記事、書籍など、さまざまな種類の情報源が含まれます。
旅行計画をまとめる
情報収集をおこなったら、それらの内容を踏まえ、オリジナルの旅行計画としてまとめます。ChatGPT Searchから、通常のChatGPTモードに切替え、行きたい場所の候補を挙げ、プランとして整理してもらうのも良い方法です。
ChatGPT Searchが検索エンジン市場に与える影響
ChatGPT Searchは、検索エンジン市場に大きな変化をもたらす可能性があります。従来のキーワード中心の検索とは異なり、対話形式で検索意図をより深く理解し、包括的かつ直感的な回答を提供できる点が特徴です。
この新しい検索体験により、ユーザーの情報収集方法が変化し、企業にとってはSEO戦略の見直しが求められる可能性があります。
ただし、長年にわたりGoogleやYahoo!などが市場を支配してきたことから、それらの検索エンジンが持つシェアをOpenAIがすぐに奪うことは簡単ではありません。
ChatGPT Searchが広く普及するためには、ユーザーが使いやすさや利便性を実感し、プライバシー保護などの信頼性が十分に確保される必要があります。これらの課題が克服されるまでは、Googleなど既存の検索エンジンが依然として主導的な地位を保ち続けると考えられます。
よくある質問(Q&A)
ここでは、よくある質問をとりあげ解説します。新しく登場した検索エンジンを理解するためにも、詳細をご確認ください。
Q:どのデバイスで利用できますか?
Answer)PCやスマートフォン、タブレットなど、インターネットブラウザが利用できるすべてのデバイスで動作します。
Q:検索結果は常に正しいですか?
Answer)ChatGPT Searchが返す検索結果は、信頼性の高いWEBサイトや公的機関、ニュースなどを情報源としています。そのため、正確な情報を表示することも多いですが一方で、元データが不正確でな場合、その影響を受け、間違った回答をする可能性もあります。また、AIが要約をおこなっているため、場合によっては重要な情報が欠けることもあります。そのため、引用元の情報を確認してください。
Q:検索結果に、新旧情報が混在することはありますか?
Answer)古い情報であっても、内容的に妥当な場合、検索結果に表示されることがあります。また、質問内容が曖昧な場合も、新旧の情報が混在しやすいです。例えば「人気のスマートフォンを教えて」という質問だと新旧情報が混在する可能性があります。そのため、「今年人気のあるスマートフォンを教えて」というように年代を指定するなどの工夫が必要です。
Q:ユーザーの質問内容をいつも完全に理解できますか?
Answer)ユーザーの質問内容が曖昧であっても、使用されたキーワードなどをもとに、関連性が高いと思われる回答を返します。しかし、AIが理解できなかった場合は、「もう一度質問してください」、「もう少し具体的に説明していただけますか?」などのエラーメッセージが表示されます。
まとめ