Yahoo!のリスティング広告とは?基本から運用開始まで初心者向けに解説
Web広告は、さまざまな種類があります。なかでも、リスティング広告は初心者でも始めやすいので導入を検討する方も多いかと思います。リスティング広告を出稿できる検索エンジンには、Yahoo!広告とGoogle広告の2種類があります。
どちらも検索エンジンに変わりはありませんが、アプローチできるユーザーや使える機能が異なるので出稿先に迷う方も少なくありません。リスティング広告をするにあたって、最適な出稿先を選ぶには特徴を正しく理解することが大切です。
Yahoo!広告とは
Yahoo! JAPANのポータルサイトに広告配信ができるサービスが、Yahoo!広告です。国内ではGoogleと並び利用者が多い検索エンジンなので、リスティング広告の出稿を検討するサイト運営者が増えています。
Yahoo!広告が選ばれる理由は、リターゲティング広告と相性が良いことです。Yahoo! JAPANは、日本で多く利用されるポータルサイトであるため、広告が表示される頻度が高くなります。うまくリスティング広告を活用すれば、多くのユーザーに情報を発信したりアプローチできます。また、Yahoo!広告は広告出稿者のサポートが手厚いため安心して利用できるのも魅力です。
基礎的な知識を学べるサイトがあったり、知識を広めるYouTubeチャンネルの開設や出稿者同士が情報共有できるセミナーが開催されたりしています。Yahoo!広告は、初めて利用する方でも安心して利用可能です。
Yahoo!広告の種類
Yahoo!広告を出稿するにあたって、決めなければいけないのが広告の種類です。広告の種類には、検索広告とディスプレイ広告があります。それぞれ特徴が異なるため、メリットとデメリットを理解して適切な種類を選ぶことが大切です。検索広告とディスプレイ広告の概要を確認していきましょう。
検索広告
ユーザーが特定のキーワードで検索したときに、その検索キーワードに応じたテキスト広告を表示するのがYahoo!の検索広告です。ユーザーが興味や関心があるキーワードに応じた情報が並ぶため、検索したユーザーの目が惹きやすくなります。検索広告はクリック課金を採用しており、検索結果に表示されただけでは広告費用はかかりません。ニーズが顕在化するユーザーを獲得したい場合に最適です。
ディスプレイ広告
ユーザーが過去に検索したキーワードや閲覧したページなどの情報をもとに、検索エンジンに表示されるのがディスプレイ広告です。フォーマットは、テキストだけでなく画像や動画、レスポンシブの広告があるので視覚的な効果を得られます。潜在層への訴求が可能であるため、新規顧客の獲得を求める方に適した広告です。ディスプレイ広告は、クリック課金とインプレッション課金を採用しています。
検索広告とディスプレイ広告の違い
広告を出稿するにあたって、検索広告とディスプレイ広告のどちらを選べばいいか悩むサイト運営者も少なくありません。
検索広告とディスプレイ広告の違いは、次のとおりです。
【検索広告】
表示場所 | 検索結果 |
フォーマット | テキスト広告のみ |
ユーザー層 | 顕在顧客 |
課金方式 | クリック課金制 |
検索広告が表示されるのは、検索結果です。ユーザーがキーワードを検索したとき、検索結果の上位にテキスト広告が表示されます。検索キーワードと広告テキストの関連性が高いため、ユーザーの興味や関心を惹きやすいです。検索キーワードでターゲットを細かくセグメントできるので、訴求確度の高い広告となります。顕在顧客の獲得が目的なら、検索広告を選ぶことをおすすめします。
【ディスプレイ広告】
表示場所 | コンテンツ |
フォーマット |
|
ユーザー層 | 潜在顧客 |
課金方式 |
|
ディスプレイ広告が表示されるのが、コンテンツページです。Yahoo!の利用時に、特定の場所に表示されます。検索結果と大きく異なるのは、フォーマットです。ディスプレイ広告は画像や動画などユーザーに合わせて表示してくれるのでクリックされやすくなります。一度サイトへ訪れたことがあるユーザー向けに画像や動画でリターゲティング広告としてディスプレイ広告を出稿するとコンバージョンを獲得しやすくなります。
Yahoo!の検索広告の概要
Yahoo!の検索広告は、検索キーワードに連動して表示されます。ニーズが潜在化したユーザーに広く広告を普及できるため、キーワードに対する顕在顧客を獲得したい場合に最適です。ここでは、Yahoo!の検索広告の概要を説明します。
掲載場所は2種類ある
検索広告が掲載される場所は、Yahoo! JAPAN 検索サイト・提携パートナーサイトがあります。それぞれの特徴を確認していきましょう。
【Yahoo! JAPAN 検索サイト】
Yahoo! JAPANは日本最大級のポータルサイトで、検索はもちろんニュースや天気、メール、ショッピングなど多数のサービスを展開しています。特に、利用者数が多いのはニュースで、トップ記事になると一気にバズることも少なくありません。Yahoo! JAPANに検索広告が表示されれば、多くのユーザーに閲覧してもらえる可能性が高いです。
【提携パートナーサイト】
Yahoo! JAPANと連携するパートナーサイトにも検索広告が表示されます。提携パートナーサイトには、Bingや朝日新聞、exciteなどさまざまです。特に、Microsoftが運用するBingは、Yahoo! JAPANに次ぐ日本3位のシェアを誇ります。Bingに検索広告を掲載することで、より多くのユーザーにアプローチすることが可能です。
豊富な搭載機能がある
Yahoo!の検索広告で利用できる機能には、さまざまなものがあります。それぞれの特徴を理解して、状況に応じて機能を使いましょう。
【自動入札機能】
広告の利用目的や訴求ターゲットにより、最適な入札価格を自動で調整する機能です。リスティング広告で自動入札機能を活用すれば、より費用対効果の高い広告運用をおこなえます。ただし、自動入札にはデータの蓄積が必要です。十分な情報がない場合は自動入札の正確性が欠けるおそれがあります。
参考:自動入札とは
【自動運用ルール】
日付や曜日、時刻などサイト運営者が設定した運用ルールに基づいて、広告運用を自動的に最適化してくれる機能のことです。広告の設定は少し難しいものの、一度設定すれば状況に応じて運営することができます。サイト運営の作業負担を大幅に減らせるため、多忙な担当者に便利な機能です。
参考:自動運用ルールとは
【かんたんDAS】
動的検索連動型広告を、少ない手順で簡単に始められる機能です。お客様が入力したウェブサイト情報をもとに広告の作成や配信するため、広告のタイトルやキーワードを考える必要はありません。設定が必要な項目を簡略化できるので、広告運用における工数を減らしたい方に適しています。
参考:かんたんDASを利用する
【広告表示オプション】
検索広告はタイトルと説明文で広告を作成するのが一般的ですが、広告表示オプションを利用することで付加情報を追加できます。追加情報を記載すれば検索結果画面を占有できるので、結果広告が視認されやすくなるメリットがあります。
参考:広告表示オプションとは
課金方法はクリック課金制
検索広告の課金方法は、クリック課金制が採用されています。クリック課金制とは、クリックされた回数で費用が決まる課金方法のことです。広告が表示されても料金が発生することはありません。予算の上限は自由に決められるので、想定以上に予算が発生するなどのトラブルを回避できます。広告予算に応じてリスティング広告を出稿したい方には、クリック課金制が最適です。
Yahoo!とGoogleのリスティング広告の違い
日本で利用者が多い検索エンジンには、Yahoo!とGoogleがあります。どちらもリスティング広告を出稿できるため、出向先に迷うサイト運営者も多いです。ただし、Yahoo!とGoogleではリスティング広告にさまざまな違いがあります。それぞれの違いを正しく理解して、リスティング広告の出稿先を選ぶことが大切です。
主な違いには、次のようなことが挙げられます。
- リスティング広告の配信先
- ターゲットの設定
- 利用するユーザー層
- 広告表示オプション
リスティング広告の配信先
Yahoo!とGoogleでは、リスティング広告の配信先が異なります。たとえば、Yahoo!のリスティング広告の場合は、Yahoo! JAPANやBingなどの検索サイトに表示されます。
Googleのリスティング広告は、Googleの検索サイトや検索パートナーのサイトに表示されます。検索パートナーとは、Googleと提携した検索エンジン機能を持つポータルサイトのことです。たとえば、BIGLOBEやGoo、niftyなどがあります。また、Yahoo!とGoogleでは使用されるデバイスが異なります。Yahoo!はPCユーザーが多いのに対し、Googleはスマホユーザーの割合が高いです。PCユーザーを多く獲得したいなら、Yahoo!へのリスティング広告を選ぶことをおすすめします。
ターゲットの設定
自社商品やサービスの情報を発信したいとき、ターゲットに情報を訴求することが大切です。ただし、Yahoo!とGoogleでは設定できるターゲットが異なるので注意しなければいけません。たとえば、Yahoo!にはサーチキーワードターゲティングがあります。サーチキーワードターゲティングとは、過去に検索したキーワードによってユーザーを絞り込めるYahoo!独自の機能のことです。以前にも検索したことがあるユーザーは商品やサービスに対して興味や関心が高い傾向にあります。滞在顧客に対してアプローチできるため、高い費用対効果を得られるのが特徴です。
Googleの場合はターゲットを絞り込めることはもちろん、子供の有無まで設定できます。子どもがいるユーザーにアプローチしたいなら、Googleのリスティング広告を選ぶのがおすすめです。また、Googleは市町村の半径も設定できます。
利用するユーザー層
Yahoo!とGoogleでは、ユーザーの利用者層が異なるので注意しましょう。たとえば、Yahoo!はPCユーザーの割合が高いといわれています。利用者の年齢層は40代~50代が多ため、ミドル層やシニア層に情報を訴求したい場合に最適です。
Googleは、スマホユーザーが利用する割合が高いといわれています。利用者の年齢層は若年層がメインであるため、10代や20代など若者に向けて情報を訴求したい方におすすめです。どのようなユーザーに情報を訴求したいのか、その点を踏まえて、リスティング広告の出稿先を選びましょう。
広告表示オプション
Yahoo!とGoogleでは、利用できる広告表示オプションが異なります。広告表示オプションとは、広告文とは別に電話番号やサイトリンクなどの追加情報を掲載できる機能のことです。情報を追加することで、広告の効果を最大限に高められます。
どちらも広告文に追加情報を記載できますが、Yahoo!よりGoogleのほうが利用可能な広告表示オプションの数が多いです。電話番号やサイトリンク、住所など多くの広告表示オプションを利用したい場合は、Googleへのリスティング広告が適しています。
参考:広告表示オプションとは
Yahoo!とGoogleのリスティング広告が選ばれる理由
Yahoo!とGoogleでは、リスティング広告の配信先やターゲットの設定、利用するユーザー、広告表示オプションにおいて異なる点が多いです。どちらにリスティング広告を出稿しようか判断に迷うサイト運営者も少なくありませんが、両方出稿する企業様も多いです。予算を2分割してYahoo!とGoogleの両方に出稿してコンバージョン率などのデータを集めるのも戦略としてありです。データが集まれば、キーワードとターゲットによってYahoo!とGoogleのリスティング広告を使い分けていく事ができます。
Yahoo!とGoogleのリスティング広告が選ばれる理由は、次のとおりです。
- 費用を抑えて出稿できる
- 顕在顧客にリーチできる
- 広告の品質で検索順位が決まる
費用を抑えて出稿できる
Yahoo!とGoogleのリスティング広告では、会社の予算に応じてリスティング広告を出稿できます。低予算でも問題なく広告を出稿できるため、費用を抑えたい方に最適です。Googleは広告に出稿する人が多いため、競合性が高くクリック単価が高騰しやすくなります。すべてのキーワードに該当するわけではありませんが、Yahoo!でリスティング広告を出稿したほうがクリック単価が抑えられることも多いです。キーワードごとにどちらのリスティング広告が費用対効果がいいかデータを集めて出稿していくのも良いです。
顕在顧客にリーチできる
ディスプレイ広告やSNS広告などWeb広告には多くの種類がありますが、リスティング広告には顕在顧客にリーチできるメリットがあります。顕在顧客とは、自身のニーズを自覚している顧客層のことです。ニーズが明確であるため、ほしい情報を訴求できれば見込み客になる可能性があります。また、タイトルや説明文、キーワードなどを管理画面から設定すれば、広告審査がとおり次第すぐに出稿可能です。素早く広告を出稿できるので、自社商品やサービスに興味がある顧客を逃す心配がありません。
広告の品質で検索順位が決まる
Yahoo!とGoogleのリスティング広告が表示される掲載順位は、広告の品質によって決まります。掲載順位はサイトの規模、商品やサービスの認知度などの影響を受けないため、サイト運営者は広告の品質にだけ注力すれば上位表示が可能です。
Yahoo!広告(リスティング広告)の始め方
Yahoo!でリスティング広告を始めるときは、次のような流れになります。
- ビジネスアカウントを取得する
- 広告管理ツールにログインする
- 支払い情報を入力する
- キャンペーンを作成する
また、Yahoo!では本人証明のために必要に応じて書類の画像をアップロードを求められることがあります。なかには、住所記載の公的書類や商業・法人登記事項証明書が必要になることもあるので、事前に内容を確認しておくことが大切です。
参考:本人確認について
ビジネスアカウントを取得する
Yahoo!でリスティング広告を始めるには、ビジネスアカウントの取得が必要です。会社名や住所、サイトURL、管理者名などの情報を入力します。SMS認証やパスワードの設定をおこなえば、ビジネスアカウントを取得できます。設定したパスワードはログインするときに必要になるため、忘れないようにメモを取るようにしましょう。
広告管理ツールにログインする
ビジネスアカウントを取得したIDとパスワードを利用して広告管理ツールにログインしましょう。Yahoo!には、初心者でも簡単に広告運用できる「かんたんDAS」の機能もあります。自身で広告運用するのが不安なら、かんたんDAS機能の利用を検討してみるのがおすすめです。
参考:かんたんDASを利用する
支払い情報を入力する
広告費用の支払いをする銀行口座やクレジットカードの情報を入力しましょう。支払い方法にクレジットカードを選べば、すぐにアカウント残高に反映されます。使用可能なクレジットカードは、VISA・Master Card・JCB・ ダイナース」・American Expressの5種類です。銀行口座への振込は、アカウント残高に反映されるまで3営業日かかります。
キャンペーンを作成する
支払い情報を入力したら、広告を配信するためのキャンペーンを作成しましょう。出稿するキーワードや予算を決定したら、広告審査に移ります。広告の審査が通ったら広告が配信されるので、返信が来るまで少し待ちましょう。
参考:審査とは
Yahoo!広告の運用で役立つ機能3選
リスティング広告に活かせる機能は豊富な種類があるため、うまく活用することがおすすめです。Yahoo!でリスティング広告を運用する際に役立つ機能には、次のようなものがあります。
- キーワードアドバイスツール
- 電話相談サポート
- キーワード自動挿入機能
キーワードアドバイスツール
関連するキーワードや各種推定データを過去の実績に基づいて示してくれるツールです。キーワードやサイトURLなどを入力すれば、指定したキーワードに関連する語句や推定データを表示できます。キーワード選びはコンテンツの質を左右するので、慎重に選定しなければいけません。想定よりクリックされないといった問題も起きにくくなります。ビジネスアカウントがあれば、誰でも利用可能です。
電話相談サポート
Yahoo!では、電話相談などあらゆるサポートを受けられます。特に、Yahoo!でも初めてリスティング広告を出稿する場合はわからないことも多いです。広告運用のやり方や操作方法など、広告運用で気になる不安や問題を解決できます。広告運用に関する相談は、電話だけでなくチャットやメールでもおこなうことが可能です。広告を運用するなかで何かわからないことがあるときは、電話相談サポートに相談しましょう。
キーワード自動挿入機能
広告の文章部分にキーワードを自動的に挿入してくれる機能です。キーワードを自然に入れることで、クリックされやすい広告文を作成できます。キーワードごとに広告文を作成する必要はないので、広告を作る手間を大幅に削減することが可能です。ただし、キーワード自動挿入機能は検索語句がそのまま広告文に盛り込まれるため、不自然な言い回しになることがあります。最終的に出稿する広告文は、担当者の目で確認することが必要です。
Yahoo!の広告運用でよくある質問
初めてYahoo!広告を運用するにあたって、悩みや疑問を感じることもあります。悩みや疑問を放置しても広告運用は改善されません。広告運用でよくある質問には、次のようなものがあります。
- Yahoo!の広告費用はどのくらいかかる?
- Yahoo!とGoogleは使い分けるべき?
- リスティング広告で成果を上げる方法は?
Yahoo!の広告費用はどのくらいかかる?
広告を出稿するにあたって、広告費用が気になる方も多いはずです。Yahoo!広告では、自社の予算に応じて自由に設定することができます。1日の予算も設定できるので、低予算で広告を出稿したい方でも安心して始められます。特に、リスティング広告はクリック課金型が採用されており、クリックされて初めて料金が発生する仕組みです。この点も踏まえて適切な予算を決めましょう。
Yahoo!とGoogleは使い分けるべき?
Yahoo!とGoogleも日本で多くの利用者がいるので、両方で広告の出稿を検討するサイト運営者もいるかもしれません。Yahoo!とGoogleは、リスティング広告の配信先やターゲットの設定、利用するユーザー層などが異なります。それぞれの特徴を理解して、状況に応じて使い分けましょう。
リスティング広告で成果を上げる方法は?
リスティング広告で成果を上げたいなら、明確な目標を設定したうえで施策と改善を繰り返しながら運用していくことがおすすめです。ほかのページでは成果が上がる施策でも、ほかのページではうまく機能しないこともあります。また、ネット空間は日々膨大な情報が流れてくるので従来の手法が必ずしもうまくいくとは限りません。これを行えば必ず成功するといったやり方はないので、自社に適した成功法を探してみましょう。
まとめ