アフィリエイトのやり方は?売上を上げる方法やSEOとの関係性などを解説
「新たな収益源確保のために、アフィリエイトを始めよう」そのように考えている企業もいるでしょう。一方で、法人でどのようにアフィリエイトを始めていいのかわからない方も多いはず。
アフィリエイトとは
アフィリエイトとは、インターネット上での成果報酬型の広告です。「アフィリエイトリンク」と呼ばれるURLを通じてサイトのユーザーが商品・サービスを購入したとき、その成果報酬がサイトの運営者(アフィリエイター)に入る仕組みとなっています。
メディアで収益を上げようと考えたときに、大きな収益源となるのがこのアフィリエイトです。なかには、1成約につき数万円もするような単価の高い広告もあり、法人・個人を問わずアフィリエイトで収益を得ようとするユーザーが多くいます。
またアフィリエイトには、広告を掲載したい「広告主」と、広告を掲載するサイトの運営者「アフィリエイター(個人・法人)」が存在します。そして、この両者をつなぐ仲介サービスが「ASP」です。
代表的なASPに「A8.net(エ―ハチネット)」や「afb(アフィb)」などがあります。
収益構造の仕組み
アフィリエイトの収益は、ASPの仲介によって成り立っているのです。まずは広告主が、宣伝したい広告をASPに掲載し、募集をかけます。その広告をアフィリエイターが選び、自分のサイトにアフィリエイトリンクを設置します。
そのアフィリエイトリンクを通じて広告主の商品・サービスが成約したとき、広告からASPに広告費が支払われるのです。その後、ASPからアフィリエイターに報酬が支払われるのです。このようにして、商品・サービスを成約できた「広告主」と、その報酬を得られる「アフィリエイター」の両社が利益を享受できます。
広告主のメリットは、自ら商品・サービスを宣伝しなくても、アフィリエイターが代わりに広告を出してくれる点です。そのため広告運用にあてるリソースを、ほかの事業に割けられるようになります。
一方でアフィリエイターのメリットは、もちろん報酬を得られる点です。サイトが安定してユーザーの流入を得られるようになれば、単価数万円の商品・サービスが成約に至り、多額の売上を上げられるのも夢ではありません。
アフィリエイトの始め方
アフィリエイトを始める方法について解説します。
1.サイトを開設する
報酬を得るためのサイトをもっていない場合は、まずアフィリエイトのためのサイトをつくりましょう。サイトの開設までの流れは、次のとおりです。
<サイト開設の流れ>
- レンタルサーバーを契約する
- ドメインを取得する
- CMSをインストールする
<1.レンタルサーバを契約する>
サイトやメールなどの情報を配信・保管する「サーバー」をレンタルする。レンタルサーバーにはおもに、1台のサーバーを複数人で運用する「共用サーバー」と、1つのサーバーを1人(1社)が使う「専用サーバー」があります。
共用サーバーのほうが低コストで利用できますが、複数人で共有することから、膨大なアクセスに弱い特徴があります。アクセス数に応じたサーバー選びが重要です。 【代表的なレンタルサーバー】 |
<2.ドメインを取得する>
ドメインとは、簡単に言えばインターネット上の住所です。当社のサイトであれば「switchitmaker2.com」がドメインに該当します。なおドメインは、専門会社あるいはレンタルサーバー会社から取得するのが一般的です。
【代表的なドメイン専門会社】 |
<3.CMSをインストールする>
CMS(コンテンツ管理システム)とは、ホームページ制作のためのシステムです。現在、CMSでもっとも大きなシェアを誇っているのは「WordPress(ワードプレス)」です。豊富なホームページデザインから選べたり、カスタムの自由度が高かったりなどのメリットがあるので、特に理由がなければWordPressを選びましょう。
CMSを使わずにはてなブログやアメーバブログなどの無料ブログを利用する方法もありますが、アフィリエイト向きではないのでおすすめしません。 |
なお、アフィリエイトサイトの運営者が法人でサイト開設にリソースを割くのが難しい、またはノウハウがない場合は、サイト開設を外部の制作会社に委託する方法もおすすめです。
また、アフィリエイトから収益を得る場合、特定のジャンルの商品・サービスを取り扱う「特化サイト」で運用するのがおすすめです。さまざまなジャンルの記事を投稿する「雑記サイト」もありますが、こちらはどちらかというと個人向きであり、法人には向いていません。
また特化サイトは、特定の専門のみに集中してコンテンツを作っているため権威性が高まり、ユーザーからの信頼を得やすくなります。特に理由がなければ、法人はアフィリエイトの特化サイトで運用しましょう。
2.ASPに登録する
サイトに登録したあとは、ASPに登録します。ASPへの登録は無料です。今回は、代表的なASP「A8.net(エ―ハチネット)」を使った登録方法について紹介します。
出典:A8.net公式サイト
<A8.netに登録する方法(無料)>
- メールアドレスを登録する
- 利用規約に同意する
- 基本情報(サイトURLやサイト開設日、口座情報など)を入力する
- 登録完了
3.掲載するアフィリエイト広告を選ぶ
ASPに登録したあとは、サイトに掲載するアフィリエイト広告を選びます。掲載したいアフィリエイトが決まれば、次は「提携申請」をします(なかには不要なものもあります)。無事広告主に承認されれば、アフィリエイトリンクを取得し、自社サイトに貼れるようになります。
掲載したいアフィリエイトを探すとき、たとえば「A8.net」なら、ジャンルで検索できるのはもちろん「人気ランキング」や「趣味」などの探し方もあります。「A8.net」は多くの広告が掲載されているので、何か検索軸を決めて探すのがおすすめです。
4.記事を書く
掲載するアフィリエイト広告を決めた後は、それをもとに記事を書きます。ユーザーが求めている情報は何かを常に考え、その答えになるようなコンテンツを提供しましょう。
5.アフィリエイトリンクを貼り記事を投稿する
記事を作れば、次はアフィリエイトリンクを貼ります。ASPにログインすると、あなたが使える広告の専用アフィリエイトリンクを取得できます。このアフィリエイトリンクをコピーし、自分のサイトに貼りつけるだけです。
アフィリエイトリンクは、商品説明の近くに貼るのがおすすめです。たとえば商品説明のために画像を貼ったのならば、その画像にアフィリエイトリンクを埋め込んだり、その下にリクを設置して誘導したりしましょう。こうすることで、商品・サービスが気になったユーザーが、自然にアフィリエイトのリンク先に遷移するようになります。
アフィリエイトに必要なもの
アフィリエイトに必要なものは多くありません。最低限、下の3つがあればすぐにアフィリエイトを始められます。
<アフィリエイトに必要なもの>
- インターネットにつなげる端末(パソコンやスマホ、タブレットなど)
- アフィリエイトを掲載する媒体(サイトやSNSなど)
- 報酬を受け取る銀行口座
法人であれば「インターネットにつなげる端末」と「報酬を受け取る銀行口座」はすでにもっているでしょうから、あとはアフィリエイトを掲載する媒体を用意するだけです。
個人の場合はサイトがなくても、SNSやASPで開設できるサイトを使って、アフィリエイトを始められます。一方で法人の場合で、収益源の1つとしてアフィリエイトを考えているならば、自らサイトを開設するのが適切です。
アフィリエイトで売上を上げるポイント
アフィリエイトで売上を上げるための方法を紹介します。
検索意図に応えるコンテンツをつくる
アフィリエイトでは、検索意図に応えるコンテンツをつくることが大切です。検索意図とは、GoogleやYahoo!などでユーザーが検索する目的です。ユーザーが検索窓に何かしらのキーワードを入力するとき、この検索意図をもって検索しています。
そこで大切なのは、検索意図に応えるコンテンツをつくることです。ユーザーの悩みや不安を解決するコンテンツを作り、その先にアフィリエイトの商品・サービスを誘導するのが理想の形です。
たとえば「プログラミングスクールの申し込み」を成果とするアフィリエイトをメインに、記事をつくるとしましょう。このときやってはいけないのが、ただプログラミングスクールを宣伝するだけの記事です。
インターネット上では広告が溢れており、その商品・サービスを本当に求めていない限り、たいていのユーザーは広告を避けようとします。そのため記事にアフィリエイトの商品・サービスを過剰に宣伝すると、ユーザーはそれを読み取りブラウザバックします。
先ほどの例で言えば、「プログラミングスクールに通うメリット・デメリット」「相場費用」などのコンテンツを提供できるとよいでしょう。そして、プログラミングスクールへの申し込みまで自然に誘導できるのが、アフィリエイトで成約を増やすコツです。
継続的にコンテンツを投稿する
アフィリエイトで成果を上げるには、継続的にコンテンツを提供する必要があります。なぜなら、サイトのコンテンツの量が少ないと、検索順位を上位に上げるのは困難だからです。
アフィリエイトで成果を出すには、検索結果の上位に自社サイトを表示させるのが大切です。実際にSEOでも、継続的にコンテンツを投稿しているサイトのほうが、検索順位は上がりやすいと言われています。
そのためアフィリエイトで成果を出そうと思ったときは、時間を確保し、定期的にコンテンツを投稿できる環境づくりが重要です。コンテンツの量に正解はないものの、まずは週2、3の記事投稿を目安にしましょう。
社内にリソースがない場合は、外部に委託する方法もあります。外部のライターに記事制作を依頼すると、コンテンツを多く作成できます。ただし当然費用もかかるので、予算と相談しながら内製するか、外部に委託するのか決めていきましょう。
「収益記事」と「集客記事」を使い分ける
実は一口に記事といっても、2種類に分類できます。それが「収益記事」と「集客記事」です。
収益記事 | アフィリエイトの成約を目的とした記事。 |
集客記事 | サイトへの訪問数を増やすことを目的とした記事。アフィリエイトリンクは貼っていない。 |
この「収益記事」と「集客記事」は、明確に使い分けるようにしましょう。この2つが使い分けできていないと、目的のブレたコンテンツを積み上げることになります。この2つの記事は、明確に目的が違います。
理想としては、集客記事で検索上位に表示させ、内部リンクで収益記事を貼って誘導するのがおすすめです。
YMYL領域を避ける
YMYLと呼ばれるジャンルでアフィリエイトする際は、慎重になりましょう。YMYLとは「Your Money Your Life」の略で、人の生命や金銭、健康に関わる情報のことです。Googleの方針により、YMYL領域のコンテンツには権威性が重視されるようになりました。
YMYLに関わるコンテンツは、次のとおりです。
<YMYL領域のコンテンツ>
- 金融
- 健康
- 医療
- 法律
- 人種や宗教、性別など
上記の業態で事業を展開している企業以外は、これらのジャンルでアフィリエイトを始めるのはおすすめしません。YMYLの領域は権威性を示すことが非常に大切となるため、関係のない業態の企業がサイトを運営しても検索上位に表示させるのは困難です。
ロングテールキーワードを狙う
ロングテールキーワードとは、1つの単語だけでなく、複数の単語からなる検索キーワードのことです。ロングテールキーワードのほうが検索意図は明確な分、より成約率の高い傾向にあります。そのためアフィリエイトでは、ロングテールキーワードへの対策が収益化の鍵となります。
たとえば「スマホ」よりも「スマホ アンドロイド」のほうが、明確にアンドロイドの購入を考えていることがわかります。「スマホ」の場合、まだ検索意図も明確に決まっていないようなケースも多く、また1語だけの場合は検索ボリュームも大きいので上に表示させるのは困難です。
最初は1語だけのビッグキーワードを狙うよりも、まずは2語以上のロングテールキーワードから対策していきましょう。
アフィリエイトとSEOの関係について
アフィリエイトとSEOの関係性について紹介します。
収益化するには検索上位にあげるのが必須
アフィリエイトで収益を得ようとする場合、検索順位を上げるためにSEO対策をするのが一般的です。なぜなら、検索順位を上げるほどサイトへの訪問者が増えるからです。
実際にSISTRIX社のレポートによると、検索順位ごとのクリック率(CTR)は次のようになっています。
<検索順位ごとのクリック率 (2020年7月14日)>
検索順位 | クリック率(CTR) |
1位 | 28.5% |
2位 | 15.7% |
3位 | 11.0% |
4位 | 8.0% |
5位 | 7.2% |
6位 | 5.1% |
7位 | 4.0% |
8位 | 3.2% |
9位 | 2.8% |
10位 | 2.5% |
出典:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid – SISTRIX
このように、1ページ目の1位と10位では、クリック率の違いに歴然の差があります。そのため1ページ目の中でも、1位表示を目指すのがSEOの目的です。
ただし、必ずしも1位を獲得するのがベストとは限りません。検索結果の内容によっては、2位以下に表示されても問題ないケースがあります。たとえば「所得税」と検索すれば、1位には国税庁のHPが表示されます。
しかし、国税庁のホームページは内容が難しいので、ある程度お金の知識がある人にしか内容を理解できません。そこで、国税庁のホームページでは理解できなかった人が、2ページ目以降の「所得税とは?~」のようなメディアコラムを探すのです。
そのため、ただ上位を目指すよりは、同じ検索結果にある競合サイトと比較するのが大切です。その競合サイトと比較して「より多くの価値を提供できるか?」「さらに濃い情報を提供できるか?」などを考えて、コンテンツをつくりましょう。
まとめ