パーソナライズド広告とは?運用方法と注意点について解説
パーソナライズド広告は、ユーザーの属性や行動履歴をもとにターゲティングして配信される広告で、費用対効果の高い広告です。
アマゾンで商品を購入した後に、youtubeを見ていたら、購入した商品の関連広告が出てきたことはありませんか。これがパーソナライズド広告です。ユーザーの行動履歴をもとに広告配信されます。
SEO対策以外に、今後 Google 広告やTwitter広告を行う方は、パーソナライズド広告に対する理解が必要です。
パーソナライズド広告とは
パーソナライズド広告とは、GoogleやTwitterなどのさまざまなプラットフォームが提供する、ユーザーの行動履歴やユーザー属性などに合わせて配信されるWEB広告です。
広告配信するプラットフォームは、取得したユーザー情報をもとにターゲティングをおこない、プラットフォーム独自のシステムによって広告配信されます。
そのため、広告主はプライバシー保護の観点から個人情報の取り扱いについて理解しておかないといけません。
パーソナライズド広告を配信するプラットフォームが提示している個人情報の取り扱いに関する規約に違反すると、アカウント停止などの措置がとられることもあります。
費用対効果を高める運用方法を理解し、適切な方法で広告配信する必要があります。
参考:パーソナライズド広告 – Google 広告ポリシー ヘルプ
例えば、検索ユーザーが使用中のカードのポイント還元率についてGoogleで検索した場合、他のキーワードを検索した際も、コンテンツ内に同じ種類のカードに関係する情報がパーソナライズド広告として表示されます。
広告主はPRしたい商品やサービスの内容に適した個人に広告配信でき、WEBコンテンツへの集客や認知などをおこない、成果につなげます。
特にWEBコンテンツに集客する際のメリットが多く、PRしたい商品やサービスに興味がありそうな属性のユーザーに広告配信するため、ユーザーが広告をクリックする回数に対して成約率が高いです。
このように、パーソナライズド広告は、各プラットフォームなどで得たユーザ情報をもとに、有益であると判断する情報をWEB広告としてユーザーへ配信します。
パーソナライズド広告の仕組み
パーソナライズド広告は、広告主が広告表示させたいと考える検索キーワードやユーザー属性を指定して、各プラットフォーム独自のシステムによる判断で、ユーザーを絞り込んで広告配信するという仕組みです。
例えば、「22歳以上の社会人でポイントカードに興味がある人」などのように、キーワードやターゲットを指定します。広告配信するプラットフォームはユーザーが過去に検索した内容やコンテンツの利用履歴などの収集データと広告主が設定した内容と照らし合わせて、該当する属性と判断したユーザーに広告を配信します。
広告が掲載される場所は、ユーザーがアクセスしたコンテンツ内の目立つ場所に掲載されることが多く、ユーザーの集客につなげやすい場所に掲載されることが多いです。
パーソナライズド広告とリターゲティング広告の違い
パーソナライズド広告もリターゲティング広告もターゲティングして広告配信される点で同じです。しかし、大きな違いがあります。
リターゲティング広告は、一度SEO対策をしているWEBサイトへ訪れたユーザーです。WEBサイトへ訪れたユーザーの行動履歴をGoogleアナリティクスで確認し設定して広告を配信するのが前提です。
パーソナライズド広告は、WEBサイトへ訪れたかどうかは関係なく、各プラットフォームでカテゴリ分けされた属性やユーザーが過去に検索したキーワードや地図や位置情報などを元に、個人の興味・関心を予測して配信されます。
リターゲティング広告の方が、より顕在顧客に対しての広告訴求であり、パーソナライズド広告は、より潜在顧客に対しての広告訴求です。使い分けることが大事です。
パーソナライズド広告のメリット
パーソナライズド広告はキーワードやユーザー属性を指定して広告配信できることが大きなメリットですが、そのことを踏まえて他にもメリットがあります。
- 確度の高い潜在顧客の開拓ができる
- 費用対効果が高い
- ユーザーの多い人気コンテンツやSNSで広告配信できる
確度の高い潜在顧客の開拓ができる
パーソナライズド広告はユーザーの行動履歴や興味・関心を予測して配信されるため、広告主がターゲットとして認識していないユーザーに対しても広告掲載されることも少なくありません。そのため、初めて商品やサービスについて知るユーザーの潜在ニーズを掘り起こし、思いがけないターゲットへのアプローチにつながります。
ユーザーもパーソナライズド広告を見ることにより、新たな発見ができるため、ユーザーにとっても幅広く情報をえられるメリットがあります。新規の潜在顧客の開拓にも適しています。
費用対効果が高い
ターゲットを明確にした状態で広告配信を行えるため、広告から集客できたユーザーに対する成約率が高く、費用対効果が高いです。また、商品やサービスに興味がなさそうなユーザーへ広告配信しないため、配信コスト削減にもつながります。
パーソナライズド広告を利用することにより、最小限のコストで最大限の成果を得られます。
ユーザーの多い人気コンテンツやSNSで広告配信できる
YouTubeやTwitter、Amazonなどの人気コンテンツでパーソナライズド広告の配信ができるため、多くのターゲットに商品やサービスをアピールできます。
ユーザーの興味・関心があるものだけを見る傾向が強い、SNSでパーソナライズド広告を配信できるため、他のコンテンツの広告配信と使い分けることにより大きな成果につなげられます。
パーソナライズド広告のデメリット
パーソナライズド広告は固定したユーザー層にのみ広告配信が続いてしまいます。
固定したユーザー層は常に入れ替わるわけでないため、パーソナライズド広告を多用しすぎると、新規顧客の獲得が難しくなる傾向があります。広告配信をすればするほど効果がなくなります。
パーソナライズド広告は、特定のユーザーに対してタイムリーにアプローチできるというメリットがありますが、新規顧客の獲得や認知拡大のために有効な広告戦略ではなりません。
前述したような、思いがけない形で新規顧客を獲得することがありますが、必ずそのような効果があると考えることは避けたほうが良いです。
パーソナライズド広告が使えるプラットフォーム
パーソナライズド広告はさまざまな人気コンテンツやSNSで配信できます。パーソナライズド広告が利用できるプラットフォームは以下のとおりです。
- Amazon
- ABEMA
Google ディスプレイ広告(GDN)
Googleディスプレイ広告GDNでは、パーソナライズド広告を配信できます。キーワードやユーザーの属性にあわせて検索結果に広告を表示します。
Googleはユーザーのアカウント情報やブラウザから、ユーザー属性やWEBサイトの閲覧履歴などのデータを収集しています。収集したデータに基づいて、広告配信をします。
また、ユーザーに対しての配慮もされており、Googleアカウントにログインした状態で、パーソナライズド広告の配信をオフにすることも可能です。「広告のカスタマイズ」から配信停止の設定が行えます。
参考:ディスプレイ広告と Google ディスプレイ ネットワークについて
Amazon
Amazonのパーソナライズド広告は、ユーザーの購買履歴や検索履歴、利用状況などの情報をもとに、ユーザーと関連商品などを紐付けし、商品やブランドなどの広告を掲載します。
例えば、Amazonを利用した方なら一度は見たことがある掲載欄、「この商品を買った人はこちらも購入しています」はパーソナライズド広告です。
過去に購入した関連商品や類似品を紹介することにより、ユーザーの興味をさまざまな商品に拡大させてアピールできます。
広告プライバシー及び広告表示の設定からパーソナライズド広告の配信停止設定ができます。
参考:パーソナライズド広告規約-Amazonカスタマーサービス
ABEMA
ABEMAは、決まった時間にチャンネルを合わせて番組視聴できるリニア視聴でパーソナライズド広告を配信しています。
ABEMAはリニア視聴の他に、ユーザーの好きな時間に番組を視聴できるオンデマンド視聴がありますが、パーソナライズド広告の配信はリニア視聴のみです。
ユーザーの年齢層や広告主のニーズに応じて細かくターゲティングして広告配信できます。広告配信等に関するガイドライン|ABEMAからパーソナライズド広告の配信停止設定ができます。
Twitter広告のパーソナライズド広告はツイート画面に、プロモーション広告やフォロワー獲得広告などのツイートを広告として表示することが可能です。
Twitterの提供する広告サービスは、ツイート画面に表示されるプロモーション広告、フォロワー獲得広告、商品やサービスの広告用ツイートなどがあります。
Twitterはユーザーのアカウント情報からえた、ユーザー属性や訪問履歴などから広告配信します。Google アナリティクス オプトアウト アドオンをダウンロードして、ご利用のウェブブラウザにインストールして広告配信が可能です。
参考:パーソナライズド広告のプライバシー制限
パーソナライズド広告活用のポイント
パーソナライズド広告はピンポイントで成果につなげられる費用対効果の高い広告戦略ですが、適切に活用しなければ、大きな成果につながりません。
顧客データの収集が重要であり、以下の内容をふまえて活用する必要があります。
- 顧客ニーズに最適なアプローチを分析
- 適切なターゲティング
- 顧客情報から分析
それぞれの内容について詳しく解説します。
顧客ニーズに最適なアプローチを分析
パーソナライズド広告を効果的に活用するためには、ユーザーのニーズに合わせてアプローチすることが重要です。ユーザーと関係が深いキーワードや行動履歴などの収集データから広告の表示方法を考える必要があります。
Twitterなどのように広告の掲載方法が限定される場合はプラットフォームに沿った表示方法で広告を掲載する必要がありますが、Googleのようにある程度自由に掲載方法を選べる場合は、ユーザー情報に応じて掲載方法を変えた方が集客につなげやすいです。
Googleでは広告主が利用できるAIサービスを提供しています。収集したユーザー情報から、見出しや説明文を組み合わせ、最適な広告を自動生成します。
ユーザーのニーズやプラットフォームのシステムに応じて、最適なアプローチ方法で広告配信することが重要です。
適切なターゲティング
ターゲティングを適切におこなうことで、費用対効果を高めた広告運用がおこなえます。
例えば、キーワードが「クレジットカード おすすめ」、ターゲット層を21歳から30歳と設定すると、21歳から30歳のユーザーに対しておすすめのクレジットカードの広告を配信できます。そのほかの年齢層を除外して広告配信できるため、無駄な広告費用を発生させせん。
パーソナライズド広告は、ユーザー情報に応じて配信できる特徴があるため、適切なターゲティング重要です。
顧客情報から分析
過去に購入した商品やサービスからターゲットを分析し、パーソナライズド広告に生かす方法もあります。
パーソナライズド広告は、キーワードやユーザー属性を設定することにより、プラットフォーム独自のシステムで広告配信するユーザーを絞り込みます。そのため、パーソナライズド広告のメリットとして前述していますが、広告主がターゲットと認識していないユーザーに対して広告配信されることも少なくありません。その結果、商品やサービスの購入などの成果に繋がった場合は、新たなターゲット層として考えることもできます。
過去に商品やサービスを購入した顧客について分析し、パーソナライズド広告のユーザー設定に活かすことにより、新たなターゲットにアプローチできます。
パーソナライズド広告使用における注意点
広告主はユーザー情報が各プラットフォームでどのように使われているのか理解しておく必要があります。
各プラットフォームで提示している規約について
パーソナライズド広告は、ユーザー情報を利用した広告戦略であるため、プライバシーの問題があります。ユーザーにとっては、過去に検索したキーワードに関する情報や行動履歴が反映された広告が表示されるため、不信感を抱いてもおかしくありません。ユーザーが安心して利用できるように、各プラットフォームでパーソナライズド広告に関する規約を提示しています。
例えばGoogleやAmazon、Twitterでは、ユーザーのプライバシーに関する情報の扱い方について説明する内容が掲載しており、第三者に情報を提供することはないという内容などが記載されています。下記一覧は、パーソナライズド広告を配信されないようにする設定方法です。
- twitter:パーソナライズド広告のプライバシー制限
- Google:マイアドセンター
- Amazon:広告プライバシー及び広告表示の設定
- AMEBA:広告配信等に関するガイドライン
- Chrome、Safari、Firefox、Microsoft Edge:Google アナリティクス オプトアウト アドオン
WEBコンテンツによっては、ユーザーの情報開示をユーザー自身の判断に委ねるなど、同意されなければユーザー情報のデータ収集はおこなわれません。
そのほかにも、パーソナライズド広告がユーザーに不快感を与えるものであってはならないということで、広告内容について一定の制限を設けています。
規約に違反するとアカウント停止
パーソナライズド広告の配信をする広告主は、各プラットフォームに掲載されているプライバシーポリシーやパーソナライズド広告に関する規約について理解し、遵守しなければなりません。規約に違反すると、プラットフォームから警告を受けて広告停止、複数回の警告措置でアカウント停止処分となることもあります。
違反内容によっては、警告回数関係なく、強制的にアカウント停止となることもあります。これらの広告の停止やアカウントの強制停止などの措置についての内容も、各プラットフォームの規約に記載されていることが多いです。
まとめ
パーソナライズド広告はキーワードやユーザーの属性に沿って広告配信ができるため、ポイントをおさえて利用することにより、費用対効果を高めつつ、大きな成果につなげられます。しかし、ユーザーの行動履歴などの情報を利用した広告配信システムであるということを理解し、各プラットフォームが提示しているプライバシーに関する規約について理解しておくことも大切です。