インフィード広告とは?基本から効果的な運用方法まで徹底解説
ユーザーに広告と感じさせることなく、自社の商品やサービスに興味を持ってもらいたいと考えたことはありませんか。
インフィード広告とは?
インフィード広告は、WEBサイトやSNSなどのコンテンツに溶け込ませる方法で表示する広告のことです。
例としてはTwitterのタイムライン上に表示される広告があります。インフィード広告は、適切なランディングページと組み合わせることで、ユーザーに対して認知だけでなく商品・サービスへの理解や共感へと誘うことができるのが特徴です。
インフィード広告の目的
WEB広告は、認知向上やリード獲得、購入促進などの効果があります。インフィード広告も同様の効果を狙うことができます。ただ、広告の特性上、リード獲得に強みを持っています。
インフィード広告の規約
インフィード広告は、メインコンテンツと並べて表示する広告です。そのため、通常のコンテンツと見分けがつかないことで、ユーザーとの間にトラブルに発展しないのかと心配もあるかもしれません。
しかし、インフィード広告はメインコンテンツとまったく同じではありません。ユーザーを惑わせないように広告表示することが自主規制として定められています。
実際、インターネット広告の業界団体である一般社団法人日本インタラクティブ広告協会では、インフィード広告を含むネイティブ広告を使用する際の注意点が提示されています。
その中で広告枠内に[広告]、[PR]、[AD]などの表記を含むこと、文字の大きさ・背景色・表示する位置などについて分かりやすく示し、ユーザーの情報利用体験を妨げないことなどが規定されています。
こういった規約を守って、インフィード広告を利用します。
バナー広告との違い
通常、WEBサイトなどに表示される広告はバナーになっています。また、多くの場合、バナーはWEBサイトのヘッダーやサイドバーなどに配置されることが多いです。そのため、ユーザーも広告であることを簡単に認識できます。
一方、インフィード広告は、WEBサイトのメインコンテンツの中に挿入されているため、広告だと認識されにくい構造になっています。
ポップアップ広告との違い
WEBサイトによくある広告の1つは、ポップアップ広告です。ユーザーが特定のページに訪問したら画面上に新しいウィンドウが表示される広告のことです。通常、ポップアップ広告はユーザー体験を阻害してしまうため、非常に嫌われる傾向があります。
一方、インフィード広告は、コンテンツ内に広告を表示させるためユーザーから嫌われにくいという特徴があります。
インフィード広告の種類
インフィード広告は、どれも記事の中に同化しているという点は同じですが、いくつか種類があります。
オンライン広告の技術的標準機約を策定しているInteractive Advertising Bureau(以下、IAB)では、インフィード広告を次の3種類に分類しています。
1.サイト内リンク型インフィード広告
IABでは1種類目のインフィード広告を下記のように定めています。
- 媒体社の通常のコンテンツの中にある
- コンテンツが書かれているストーリー形式と同じ形式
- 他のコンテンツと同様にサイト内にリンク
例えば、Facebookのインフィード広告の場合、広告をクリックしたリンク先がFacebookページなどの場合を指します。つまり、広告の表示も、広告のリンク先もFacebook内であるということです。
2.サイト外リンク型インフィード広告
IABでは2種類目のインフィード広告を下記のように定めています
- 媒体社の通常のコンテンツの中にある
- コンテンツが書かれているストーリー形式と同じ形式
- 広告配信されているWEBサイト外にリンクされている
例えば、Facebookのインフィード広告を利用しても、そのリンク先が自社のドメインである場合、サイト外リンク型インフィード広告に該当します。自社のドメインでは、広告内容に沿ったキャンペーンサイトや記事などにリンクします。
3.非リンク型インフィード広告
3種類目のインフィード広告をIABでは次のように定めています。
- 媒体社の通常のコンテンツの中にある
- ユーザーが別ページに移動せず、コンテンツを視聴できる
例えば、タイムラインに広告が流れてきても、クリックせずその画面上でコンテンツを視聴することができます。この状態のインフィード広告を3種類目としてIABでは分類しています。
インフィード広告が注目される理由
近年、インフィード広告はWEBマーケターの注目を集めています。その理由は次の2つです。
1.市場規模が拡大しているから
インフィード広告は、近年多くの企業が参入しています。サイバーエージェントの調査結果によると毎年10%程度の成長が期待されており、2023年には3921億円規模に成長すると伝えています。
このように各企業から従来のWEB広告と比較しても、費用対効果の高い広告として評価されています。
2.スマホ版Yahoo!JAPANトップページのタイムライン化
2015年5月20日に、スマートフォン版Yahoo!Japanが、トップページをタイムライン型に変更しました。Yahoo!Japanは、2023年1月現在でも月間約8400万人のアクティブユーザーがいますので、企業に与えるインパクトは非常に大きなものでした。そしてこの変更に伴い、インフィード広告を導入する企業が拡大しています。
インフィード広告のメリット
年々拡大を続けているインフィード広告ですが、広告主にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここで整理してお伝えします。
広告のクリック率が高い
インフィード広告のメリットの1つは、他のWEB広告と違ってコンテンツの1つとしてユーザーから認識されるという点があります。広告と意識されないため、高いクリック率が期待できます。
潜在顧客にアプローチできる
インフィード広告は、検索されてユーザーの目に触れるわけではありません。あくまでも他の情報を見ている人が、たまたま目にします。つまり、インフィード広告は自社の商品について認知してない潜在顧客にアプローチすることができます。
新規リードの獲得に適している
WEB広告には、認知向上や販売促進などさまざまな目的があります。その中でもインフィード広告は、新規リード顧客の獲得に向いています。即購入してくれる層ではありませんが、興味や関心を持ってくれているため、時間をかけて顧客育成を続ければ購入に結びつきます。
モバイルユーザーに強い
インフィード広告は、メインコンテンツと同列で表示するため、スマートフォンでも自然に表示させることができます。そのため、モバイルユーザーとの親和性が高い広告を配信することができます。
自社商品の認知向上に役立つ
インフィード広告は、ランディングページでもコンテンツを提供することが多いため、ユーザーのエンゲージメント率が高いです。ユーザーのコンバージョンだけでなく、認知向上につなげることができます。
インフィード広告のデメリット
インフィード広告はメリットだけではありません。デメリットも存在するので、その両方を踏まえて導入を検討してください。
非見込み客のクリック率が多くなる可能性
バナー広告などと違って、インフィード広告はWEBサイトやSNSなどのコンテンツ内に溶け込ませるのが特徴です。そのためクリック率は高いですが、そのユーザーが必ずしも商品購入意欲が高いとは限りません。無駄クリックを防ぐためにも、広告文で十分にユーザーを絞り込む必要があります。
LPが広告メインだと離脱されやすい
インフィード広告をクリックしたユーザーは、コンテンツを求めています。そのため、クリック先のランディングページが広告メインだと離脱しやすいです。こういったことを防ぐには、ランディングページをコンテンツのようにみせる工夫が必要です。
ユーザーにネガティブな印象を与えることも
広告リンク先のページにユーザーが求めている情報が不足していれば、ユーザーに
ネガティブなイメージを与えることがあります。
例えばインフィード広告で事業者向け固定電話をお得に契約する方法について説明すると謳っておきながら、リンク先でその説明がほとんどなく、電話契約のセールスばかりされているというような場合です。
リンク先のページでは、十分に情報提供できているのかに注意します。
インフィード広告を出稿できる媒体
自社でインフィード広告を出稿する場合、どのような媒体を利用することができるのでしょうか。2023年1月現在、インフィード広告出稿できる主な媒体は下記のとおりです。
- TikTok
- LINE
- Yahoo!プロモーション広告
- Google広告
FacebookやInstagramなどは、個人情報を把握しているためユーザーの興味・関心にマッチした配信をおこないやすいという特徴があります。また、TikTokの場合は、コスメやアパレル関連などビジュアルに訴求できる商品との相性が良いです。
Yahoo!プロモーション広告やGoogle広告は、提携しているWEBサイトが多いため幅広く広告を出稿したい場合に有効です。
自社の商品特性や目的に合わせて選択してください。
インフィード広告の4つの費用体系
ここではインフィード広告で利用できる費用体系について整理しておきます。実際に広告を出稿する際の参考にしてください。
クリック課金型
インフィード広告では、クリック課金型を利用することができます。この場合、広告がクリックされればそれに対して費用を支払う仕組みになっています。広告費の総額は、クリック数×単価で決定します。
インプレッション課金型
インプレッション課金型は、広告がクリックされたかどうかではなく、ユーザーの画面上に表示されたかどうかで課金が決まります。多くの場合、1000表示あたり、何円という形です。
単価はクリック課金よりも安いですが、表示されるだけでクリックされないことも多いです。そのため、クリックされる見込みが高い広告を制作するスキルが求められます。
エンゲージメント課金型
エンゲージメント課金型は、ユーザーが広告をクリックしたあと、フォローなどのアクションを伴った場合に課金されます。
広告単価は高めですが、自社の目的を満たした場合に限り費用を支払うため無駄のない配信が可能です。
期間契約型
一定期間、インフィード広告枠を契約するという形をとることがあります。この場合、仮に費用対効果があわなくても、契約期間中は広告出稿し続ける必要があります。ただし、元々の料金設定が割安になっていることが多いです。
インフィード広告で成果を上げるための5つのポイント
インフィード広告で成果を出すためには、そのためのポイントを把握しておく必要があります。そこでここでは、次の5つのポイントをお伝えします。
- ターゲットを明確にする
- ターゲティング機能を活用する
- LPをコンテンツ化する
- フリークエンシーキャップの設定
- 広告やランディングページを改善する
1つずつ解説していきます。
1.ターゲットを明確にする
インフィード広告だけに限らず、WEB広告をする場合、ターゲットを明確にする必要があります。年齢や性別、どういったことに興味・関心をもっているユーザーにクリックして欲しいのかを整理します。
2.ターゲティング機能を活用する
広告媒体ごとにターゲティング機能があります。その機能を自社が求めるユーザーやキャンペーンに合わせて広告を配信します。ターゲティング機能の一例としては次のようなものがあります。
- 性別
- 年齢
- 居住地
- デバイス
- 配信曜日
- 配信時間帯
3.LPをコンテンツ化する
インフィード広告は、ユーザーがコンテンツだと認識しています。そのため、広告クリック後のランディングページをコンテンツ化する必要があります。
ランディングページが広告色の強いものだと、離脱率が高くなるので注意してください。
4.フリークエンシーキャップの設定
業界の規模にもよりますがインフィード広告では、同じユーザーに対して繰り返し、同一の広告を表示してしまうことが生じます。あまりにもその頻度が高いと、広告が逆効果になることもあります。
そこで、1人のユーザーに対して広告を表示する上限を設定しておく事が望ましいです。この機能のことをフリークエンシーキャップと呼んでいます。
5.広告やランディングページを改善する
一度、インフィード広告を設定すればそれで終了ではありません。その後、クリック率やコンバージョン率を計測し、必要に応じて修正をおこなう必要があります。
修正すべき主な点としては、広告文やランディングページ、ターゲティング設定などです。
まとめ
今回はインフィード広告についてお伝えしました。ユーザーに広告という印象を与えないため、広告文とランディングページのつながりを高めればスムーズにコンバージョンしてもらうことができます。広告を運用する際には、今回お伝えしたポイントを参考に進めてください。テストを繰り返すことで、成果を高めていけます。