SEO初心者がまずやるSEO対策3/Google検索の表示管理
新たにWEBサイトを立ち上げたあと、記事を作っていく前に内部設定を施していきます。内部施策を進めることで、ユーザビリティやサイトセキュリティが上がるだけでなく、SEO効果もあります。
実際に内部施策を進めようとすると、抽象的な言葉や概念が多数出てきますので、とくに初心者が苦戦する傾向にあります。
そこで、まず最初に内部施策として設定するべきことをピックアップしていきますので、それぞれ自サイトで対策済みかどうかをチェックしてください。
内部施策とは
内部施策とは、WEBサイトの内部構造を整理したり修正する作業のことです。
そもそもWEBサイトは、サーバー上に置かれたファイルやフォルダの組み合わせで構成されています。内部施策では、こうしたファイルを追加したり加筆していって、WEBサイトを利用しやすくカスタマイズしていくことを目的としています。
内部施策で確認すること
内部施策はSEOの観点から施す修正を指します。広義の意味では、記事の内部リンク整理やページの表示速度を高める施策といったものも含まれます。ただし今回は、新規WEBサイトを立ち上げた直後に設定するべきことに的を絞って解説していきます。新規WEBサイトを立ち上げた直後に、内部施策として確認すべきこととして下記のようなものがあります。
- URLの設定
- XMLサイトマップの送信
- グローバルナビゲーションの設置
- パンくずリストの設置
- 404ページのカスタマイズ
- 構造化データの設定
WEBページの要素を確認する
合番 | 解説 |
①URL | URLは、WEBページの住所を示す文字列です。内部施策では、新規ページを作る際に生成されるURLのルールなどを決めます。 |
②グローバルナビゲーション | グローバルナビゲーションは、配置を固定した内部リンク集です。内部施策では、どのページにリンクするかといったことを決めます。 |
③パンくずリスト | パンくずリストは、訪問中のページとトップページの位置関係を示す内部リンクです。内部施策では、こうした要素そのものを設置します。 |
合番 | 解説 |
④404ページ | 404ページは、アクセスしたページが存在しない際に表示されるページです。内部施策では、こうしたページをカスタマイズして設置します。 |
解説 |
XMLサイトマップは、サイト構造をGoogle検索エンジンに伝えるためのファイルです。内部施策としては、ファイルを生成してGoogleへ送信します。 |
解説 |
構造化データは、Google向けに作成されたWEBサイトの情報データです。内部施策では、Googleに伝えるべき情報を整理していきます。 |
URLを設定する
URL(Uniform Resource Locator / ユーアールエル)とは、WEBサイトやページにおけるインターネット上の住所(アドレス)を示す文字列データのことです。内部施策では、URLに対して下記のようなことを設定します。
- URLを正規化する
- SSL化する
- パーマリンクを設定する
URLを正規化する
URLの正規化とは、URLの正しい表記をGoogleに伝えるために施す作業のことです。
WEBサイトを構築すると、異なるURLで同一コンテンツが表示されてしまうといったケースがあります。Googleやサイト訪問者の視点からすると、重複ページがあるといった誤解を招いてしまいます。この誤解を防ぐためにも、URL正規化の作業が必要です。
関連記事:ドメインやURL正規化の方法(リダイレクトやcanonicalカノニカル設定)と期待できるSEO効果を解説
とくに、下記のように類似したページがある場合は、URLの正規化が必要です。
https://www.example.com/
https://www.example.com
※末尾の「/」の有無
https://www.example.com/
http://www.example.com/
※SSL化の有無
https://www.example.com/
https://example.com/
※「www.」の有無
https://www.example.com/
https://sp.example.com/
※スマートフォン用ページの有無
https://www.example.com/
https://www.example.com/index.html
※末尾の「index.html」の有無
URLを正規化するためには、一般的に301リダイレクトやカノニカル設定といった方法を用います。
301リダイレクトする場合
301リダイレクトとは、サイト訪問者が訪れたページから別のページへ強制移動させる設定のことで、別名で、転送設定といった言い方もされます。301リダイレクトは、永続的な転送を目的とするときに利用されます。逆に。一時的な転送が目的の場合は302リダイレクトと呼ばれる方法を使います。301リダイレクトは、主にページを統合するときやサーバー移転するときに利用されます。
関連記事:あなたが知るべきSEOのための301リダイレクトの全て
301リダイレクトを設定するときは、.htaccessというファイルに情報を書き込んでいきます。.htaccessファイルは、通常ではサーバーのディレクトリ(=フォルダ)内に設置されています。そして、.htaccessファイルを設置したディレクトリによって効果を及ぼす範囲が異なりますので注意してください。
例えば、同じサイト内に下記のようなページがあるとします。
https://www.example.com/
https://example.com/
「www.あり」と「www.なし」のURLが存在していて、「www.あり」に統一したいときは下記のとおり.htaccessファイルに記述します。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^sample\.com
RewriteRule ^(.*) http://www.sample.com/$1 [R=301,L]
逆に「www.なし」に統一したいときは、下記のように記述します。
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.sample\.com
RewriteRule ^(.*) http://sample.com/$1 [R=301,L]
カノニカル設定する場合
カノニカル設定(canonical)とは、優先度が高いURLをGoogleに伝えるために使われるHTML言語の属性値を指します。例えば、サイト内に似たようなページが複数あるとします。このときに、優先してインデックスしたいページを指定するためにカノニカルを使用します。
関連記事:canonicalタグとは?意味や重要なカノニカル設定について解説
URLを正規化、WEBサイト中の<header></header>間に下記のように指定します。
<header>
<link rel=”canonical” href=”正規化するURL”>
</header>
例えば、「www.あり」のURLを優先させたい場合は、下記のとおり記述します。
<header>
<link rel=”canonical” href=”https://www.sample.com/”>
</header>
SSL化する
SSL化(Secure Sockets Layer)とは、インターネット上でデータ通信するときに、情報を暗号化する技術のことです。
関連記事:HTTPS(SSL化)とは?設定方法とサイトのSSL化について解説
訪問者がサイトにアクセスするときに、ブラウザ上でデータ通信が発生するのですが、第三者にデータ通信を傍受されたり改ざんされるといったリスクがあります。
しかし、WEBサイトをSSL化してデータ通信を暗号化することで、WEBサイトのセキュリティを高めることが可能です。
パーマリンクを設定する
パーマリンク(Permanent Link)とは、新規ページを作成するときに生成されるURLのことです。そして、URL中のドメインやカテゴリディレクトリ以下の部分をスラッグと呼びます。
関連記事:パーマリンクとは?SEO効果が最大になるURL設定はあるか?
新規ページを作成して生成されるスラッグの文字列は、原則的には自由に編集して決められます。ただし、スラッグはページのファイル名になる部分でもありますので、ページ内容に即した文字列にすることが好ましいです。
事前にパーマリンクの法則性を決める
通常、ワードプレス(WordPress)のようなCMS(Contents Management System)で新規ページを作成すると、URLが自動生成されます。
CMS上でパーマリンクを設定すると、このときに自動生成されるURLにルールを付けられます。こういった環境でサイトを運営する場合は、運営途中でパーマリンクを変更すると、それまでにインデックスしたすべてのページに対するリダイレクトといった作業が発生します。そのため、事前にパーマリンクの生成方法を決めておくことが大切です。
CMSを利用しない場合でも、サイト運用の途中でパーマリンクのルールを変えるとスラッグの法則がバラバラになってしまいます。さらに、WEBサイトとしての統一性を失ってしまいますので、いずれにしてもパーマリンクの法則性は事前に決めてください。
ナビゲーションを設置する
ナビゲーションとは、サイト訪問者がWEBサイト内のページを探すために利用するリンクコンテンツのことです。ナビゲーションを充実させることで、サイト訪問者が探しているページを見つけやすくなります。さらに、Googleがサイト構造を理解しやすくなるといった利点があります。
SEO的な観点では、サイト内のすべてのページは、トップページから3クリック以内で到達できるように設計することが推奨されています。ナビゲーションを配置することで、こうした構造を実現しやすくなります。
逆に、複雑なサイト構造になっていると、サイト訪問者やGoogleがサイトの全体像を掴みづらくなります。こうなると、サイトが適切に評価されませんので注意が必要です。
ナビゲーションの種類
ナビゲーションは、サイト訪問者やGoogleに対してWEBサイトの案内役のような役割を担います。そして、そのための表記方法はさまざまです。具体的には、ナビゲーションには下記のような種類があります。
- グローバルナビゲーション
- パンくずリスト
- ダイナミックナビゲーション(サイト内検索)
- 関連ナビゲーション
- ページネーション
このうち、ナビゲーションとしてグローバルナビゲーションとパンくずリストの概要は下記のとおりです。
グローバルナビゲーション
グローバルナビゲーション(Global Navigation)とは、サイト構造の最上位階層のページをリンクメニューとして集合させたものです。別名では、グローバルメニューとも呼ばれます。通常は、どのページを開いても同じリンクメニューが表示されるように、ページ内のヘッダーに設置します。
関連記事:グローバルナビゲーションとは?役割や作り方のポイントを解説
パンくずリスト
パンくずリストとは、トップページと訪問ページの位置関係を示す部分のことです。本ページの場合、パンくずリストは下記のように設定されています。
本ページの例でいうと、「HOME」(トップページ)の下の階層に設置された「SEO対策」というカテゴリーに本記事が含まれていることを示しています。
XMLサイトマップを生成して送信する
ナビゲーションを設置するためには、運営者がサイト構造を理解しておく必要があります。そこで、まずはサイトマップを作成してみてください。
サイトマップとは、サイト訪問者やGoogleにサイト構造を伝えるためのコンテンツのことです。サイトマップは、下記のとおり大きく分けると2種類あります。
- WEBサイト上に設置されるHTMLサイトマップ
- Googleにインデックスを促すXMLサイトマップ
前者は、わかりやすくいうとWEBサイト内に設置されたサイト構造を記したページのことで、主にサイト訪問者に向けて作成されます。一方、後者はGoogleにサイト構造を伝えるためのファイルのことです。通常、サイト訪問者はXMLサイトマップを閲覧する機会がありません。
このうち、XMLサイトマップは、新規サイトを立ち上げたのちにその存在をGoogleに認知してもらいインデックスを促すといった効果があります。そのため、SEOを考慮する場合はXMLサイトマップを用意してください。
関連記事:サイトマップとは?作成方法やSEO効果について解説
404ページをカスタマイズする
404ページとは、存在しないページにアクセスした際に表示されるエラーページのことです。
よくある例を挙げると、リンク切れを起こしたURLを経由してアクセスすると、404ページが表示されます。具体的には、内部リンクや外部リンクに記述ミスがあったり、削除したページのリンクが残ったままになっているときに発生します。404ページは、下記のように表示されます。
無機質な「Not Found」という文字が表示されると、サイト訪問者としては「なにかわからないけど怖い」、といった感情を持つ人もいます。こうした訪問者はブラウザバックせずに、そのままサイトから離脱してしまうこともあります。そこで、こうした事故が起きてしまった場合に備えて、カスタム404ページを用意します。カスタム404ページとは、404ページにWEBサイトに対するリンクを貼るといったカスタマイズを施したページのことです。
ただし、仮にサイト訪問者が404ページに到達すると、サイトの品質に対する疑いの印象を持たれてしまうので、原則としてはリンク切れを起こさないように努めてください。
構造化データを設定する
構造化データとは、WEBページ内の情報をGoogleの検索エンジンに伝えるためのデータを指します。さらに、HTMLで構造化データを作成することを、構造化マークアップと呼びます。構造化マークアップすることで、テキスト中の固有名詞が人物を指すのか、または会社を指すのかといったページ情報を正しく伝えられます。
例えば、WEBページ中のテキストで「FF」という単語があったとします。この「FF」とは、人気ゲームの「ファイナルファンタジー」のことなのか、またはTwitterの「フォロー/フォロワー」という用語を指すのかといった場面で、単語を定義づけることが可能です。
関連記事:構造化データとは?メリット・デメリットやマークアップ方法を解説
構造化データの使用例
構造化マークアップの情報として、よく利用される代表例としては下記のようなものがあります。
- サイト運営者(社)の情報
- パンくずリスト
- FAQの情報
構造化マークアップすると、Google検索エンジンの検索結果にリッチリザルトと呼ばれる表示が追加される利点があります。リッチリザルトとは、ページ内にある情報の一部を検索結果画面に表示するGoogleの機能なのですが、この機能によってクリック率を高めることが可能です。
構造化データのボキャブラリーとシンクタック
構造化データをマークアップするにあたって、まずは構造化データにおける基礎知識が必要です。知っておくべき概念として、下記のようなものがあります。
- ボキャブラリー
- シンクタック
ボキャブラリーとは
ボキャブラリー(Vocabulary)とは、情報を定義した規格のことです。例えば、人物名を指すときは「name」という文字列を使う、といったことを規格として定めます。すると、「name」と記述をすると、それが「人物名のこと」であるとGoogle検索エンジンに伝わります。ボキャブラリーには、下記のような規格があります。
- org
- deta vocabulary
Google検索セントラルのGoogle検索での構造化データのマークアップの仕組み概要 では、このうち、schema.orgの利用が推奨されています。
シンクタックとは
シンクタック(Syntax)とは、ボキャブラリーで定義した値(人物名など)をどのように表記するのかといったルールのことです。構造化データをマークアップする際には、ルールに基づいた記述方法があります。そして、そのルールはシンタックスと呼ばれる仕様によって異なります。シンクタックには、下記のようなものがあります。
- JSON-LD
- Microdata
- RDFa
Googleは、シンクタックとしてJSON-LDを利用することを推奨しています。
構造化データのマークアップ方法
構造化データを実装するためには、大きく分けると2つの方法があります。
- HTMLファイルに記述する
- ツールを使う
ここでは、初心者向けのツールを使った構造化マークアップについて解説します。
ツールを使う
構造化データツールを使用すると、HTMLファイルを直接編集せずとも構造化データを実装できます。そのため、HTMLやWEBサイトの運用に慣れていなくとも、比較的簡単に対策が可能です。構造化データを実装するための具体的なツールとしては、下記のようなものがあります。
- データハイライター
- WordPressのプラグイン
データハイライター とは、Googleが提供する構造化データツールです。
一方、WordPress(ワードプレス)でWEBサイトを運用している場合は、プラグイン(Plug in)と呼ばれる拡張機能を利用することで構造化データを手軽に済ませることができます。構造化データツールとして有名なプラグインとしては、下記のようなものがあります。
内部施策に関するよくある質問(FAQ)
内部施策に関する、よくある質問をFAQ形式でご紹介します。
Q:内部施策は必須ですか?
Answer)原則的には必須です。
ただし、WEBサイトを運用する環境は人それぞれです。例えば、WordPressでSEO対策済みのテーマ(WEBサイト全体のテンプレートのこと)を使用すれば、内部施策にかける工数が大幅に減ります。
Q:内部施策でもっとも重要な施策はどれですか?
Answer)本記事でピックアップした内部施策は、すべて大切です。
下記のような施策は、しっかりと運営しているWEBサイトでは大半が対応しています。
- URLの設定
- XMLサイトマップの送信
- グローバルナビゲーションの設置
- パンくずリストの設置
- 404ページのカスタマイズ
- 構造化データの設定
また、それぞれの具体的な対策手段は、WEBサイトを運用する環境によって異なりますので、自サイトの環境にあった対策をしてください。
Q:モバイルフレンドリーの設定は必要ですか?
まとめ